近年の禁煙ブームで、愛煙家にとっては少々肩身が狭い…。このような話をあちらこちらで耳にします。一般的な紙タバコの煙には「副流煙」が含まれており、喫煙者本人だけでなく、他者にも悪影響が及ぶといわれています。そのため、紙タバコが悪者扱いされてしまうのは、ある意味仕方がないことなのかもしれません。では、今話題の「シーシャ」ではどうなのでしょうか。こちらのコラムでは、シーシャの特徴や紙タバコとの違い、ニコチン含有の有無、シーシャが体に及ぼす影響についてご紹介しています。

水タバコ「シーシャ」とは？紙タバコとの違いは何？

シーシャは水タバコと呼ばれる喫煙具で、発祥の地は中近東のいずれかの国ではないかといわれています。
また、日本にシーシャが入ってきたのは2000年頃だといわれていますが、シーシャが日本国内で広く認知されるようになったのは、ここ10年前後という印象です。
それでは早速、シーシャの特徴と紙タバコとの違いから見ていきましょう。

水タバコ「シーシャ」ってどんなタバコ？

シーシャは水タバコと呼ばれる種類のタバコで、タバコの煙を一旦水にくぐらせてから吸うという特徴があります。
また、シーシャは20年も前から日本に入ってきてはいましたが、認知されるようになったのは10年前あたりから、人気が出始めたのはアフターコロナあたりからではないといわれています。
そして、シーシャの最大の特徴といえば、１回当たりの燃焼時間が１時間を超えることがあるという点です。
つまり、ゆったりと自分の時間を楽しみたい方の間で人気となっているのがシーシャだということですね。

「シーシャ」と「紙タバコ」違いは何？

シーシャと紙タバコの決定的な違い、それは直接煙を吸うか吸わないかの差です。
ということは、シーシャは周囲に煙を撒き散らすことなく楽しめるタバコ、紙タバコは、注意を払わないと周囲に煙をまき散らしてしまうリスクがあるタバコだということになります。
紙タバコを全面的に悪いものとして否定することはできませんが、副流煙や臭いの問題を考えると、喫煙する際には周囲の環境に対する配慮は必要でしょう。
一方シーシャでは、喫煙の際に紙タバコのように大量の煙が出ることがありません。
つまり、煙に対して敏感な方や、受動喫煙が心配な方がそばにいたとしても、比較的楽しみやすいということです。

また、紙タバコのフレーバーといえばメンソールがお馴染みですが、近年ではフルーツ系フレーバーなど、メンソール以外のフレーバー付きのタイプも登場してきています。
とはいえ、紙タバコでは、どうしてももともとのタバコの葉の香りが前面に押し出されてきますので、タバコの葉の香りの中でわずかにフレーバーが香るという感覚です。
一方シーシャでは、タバコの葉を燃焼させるという点では紙タバコと同様ですが、燃焼で出た煙を水にくぐらせるため、紙タバコのような煙たさは感じません。
また、シーシャにもフレーバー付きタイプがありますが、紙タバコのようにタバコの葉の香りが前面に押し出されることはなく、フレーバーがやや強く香るという違いがあります。
つまり、シーシャはどちらかというと電子タバコに近い味わいを楽しめるということです。

さらに、紙タバコではタバコの葉が燃焼する際の煙を吸い込みますが、シーシャでは電子タバコと同様に水蒸気を吸い込むという違いもあります。

「シーシャ」にはニコチンが入っていない？

紙タバコとシーシャには、煙を水にくぐらせるか否かという違いがあります。
では、シーシャには紙タバコと同様にニコチンは入っているのでしょうか？
健康や周囲への配慮として紙タバコからシーシャに切り替えようとお考えの方にとっては、ニコチン含有の有無は大きな問題でしょう。
それでは、シーシャとニコチンについて、そして、シーシャが体に与える影響についてご紹介します。

シーシャには基本的にニコチンが入っています

シーシャは喫煙具に分類されていますが、それはシーシャに使用されている葉がタバコの葉だからです。
つまり、シーシャにも紙箱と同様にニコチンが入っているということなのです。
紙タバコのようにはっきりとしたニコチン臭がないのがシーシャの特徴ですので、シーシャにはニコチンが入っていないと勘違いしてしまう方がいるといいます。
ニコチンはタバコの根の部分で生成され、葉に成分が蓄積されますので、タバコの葉で作られているシーシャには、紙タバコと同様にニコチンが入っています。

ニコチン、タールの害がゼロではない

シーシャにはニコチンが入っていますが、ニコチンと同様に問題視されることが多いタールは入っているのでしょうか。
実は、シーシャにはタールも入っていることがわかっています。
シーシャに入っているニコチンやタールの量は、紙タバコと同様に多いと考えられています。しかし、シーシャは低温で加熱するものであるため、紙タバコよりも実際に体内に取り込まれる量は少ないといわれています。
それでも、ニコチンやタールが入っていることに違いはありません。
つまり、シーシャだからといって安心するのではなく、過度な喫煙はできる限り控えることが大切だということです。
なお、シーシャに含まれるニコチンやタールの量については製品ごとに異なり、正確な数値を出すことは難しいとされています。

シーシャの副流煙は有害？

シーシャにはニコチンやタールが入っていますが、副流煙はどうなのでしょうか。
タバコがもたらす健康被害として取り上げられやすいのが、副流煙です。
副流煙とは、タバコが燃焼している先端部分から上がる煙を意味し、喫煙者が吸い込む主流煙よりも多くのニコチンやタールが入っているという特徴があります。

また、副流煙には一酸化炭素も大量に入っているため、副流煙を吸い込んでしまうと、頭痛や吐き気などの症状が現れることがあります。
さらに、一酸化炭素はがんのリスクを高める原因になるともいわれていますので、喫煙する際には、周囲に対する最大限の配慮が必要になるでしょう。

ノンニコチンタイプのシーシャもある？

シーシャは紙タバコほどの強い香りがありませんし、煙に関しても嫌な臭いはほとんどありません。
そのため、ニコチンやタールが入っていない、あるいは入っていても微量というイメージがあったかもしれません。
しかし、入っている量をはっきりと計測できないとはいえ、シーシャにはニコチンやタールが含まれており、副流煙のリスクもあるのです。

そして、これらの心配なくシーシャを楽しみたいのなら、ノンニコチンタイプのシーシャを楽しむというのもひとつの方法でしょう。
ノンニコチンタイプのシーシャは、ニコチンが入っているシーシャよりもフレーバーの香りが強く、よりマイルドな吸い心地を楽しめるというメリットがあります。
しかし、これまでニコチンが入っている紙タバコに慣れ親しんできた方の場合では、ノンニコチンに対して強いストレスを感じる可能性が否定できません。
というのは、ニコチンには強い依存性があり、一定期間体内に取り込まずに過ごしていると、イライラして怒りっぽくなる、強いストレスを感じるなどの問題が生じる可能性があります。

ノンニコチンタイプのシーシャであれば、健康面においての不安なく楽しめるというメリットはあります。
しかし、精神的なストレスを抱えてしまうようでは、紙タバコからシーシャに切り替える意味がなくなってしまうでしょう。
そうならないためには、過度な喫煙をしないように注意しつつ、シーシャを楽しむことが大切です。

シーシャの注意点

煙の量が多く臭いもきつい紙タバコは、どうしても健康を害するというイメージと結び付きやすいですよね。
一方、煙が出たとしても紙タバコのようにきつい臭いはせず、しかもフレーバーの香りが漂うシーシャからは、健康を害するというイメージは湧かないでしょう。
しかし、ニコチンやタール、一酸化炭素が入っているという点で考えるのなら、シーシャでも健康被害に遭う可能性は十分に考えられるのです。
また、シーシャを楽しむためには、いくつかの注意点もあります。

連続して吸わない、一度に大量の煙を吸い込まない

シーシャはひと口が紙タバコのように刺激的ではないため、連続して吸ったり、一度に大量の煙を吸ったりすることがあります。
しかし、これらの吸い方をしてしまうと、めまいや吐き気、酸欠状態による息苦しさを感じることがあります。
特にシーシャの初心者は、ゆっくりと吸い方に慣れ、正しい吸い方をマスターすることが大切です。

喫煙ルールを守ること

シーシャは喫煙具に分類されますので、紙タバコと同様に喫煙ルールを守って吸わなくてはなりません。
なお、シーシャの装置は大きいため、本格的なシーシャを楽しみたいのなら、シーシャバーなどに出向く必要があり、このような場所では必然的に喫煙ルールを守れるでしょう。
しかし、シーシャの中にはベイプタイプの商品もあり、このような商品では屋外の喫煙場所で楽しむことができますので、喫煙ルールには十分に注意しなければなりません。
また、喫煙具である以上、未成年の喫煙も禁止ですので、この点についてもあわせて注意してくださいね。

シーシャで禁煙しようとは考えないこと

シーシャには、紙タバコのようにガツンと来る感覚がありませんので、何となく禁煙できそうな気がするかもしれません。
しかし、シーシャにはニコチンやタールが入っており、しかも入っている量は不明なことが多いため、禁煙に役立てることはできません。
禁煙目的で紙タバコからシーシャへの切り替えをお考えの方は、通常のシーシャとノンニコチンタイプのシーシャを併用する、シーシャとノンニコチンタイプの加熱式タバコと併用するなどの工夫が必要になるでしょう。
通常のシーシャだけで禁煙しようとするとほぼ失敗しますので、シーシャでは禁煙できないものと考え、リラックスに役立てるつもりで楽しむという方法がおすすめできるでしょう。

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