最近、カフェやバーでよく見かけるようになった「シーシャ」。独特な見た目と甘い香りに惹かれる人も多いのではないでしょうか。
とはいえ
「そもそもシーシャってなに？」
「ニコチンは入っているの？」
「健康への害はあるの？」
など、シーシャについてはまだまだ知られていない部分も多いのが現状です。
そこで本記事では、シーシャの基礎知識から、吸い方、ニコチンの有無、健康への影響まで、詳しく解説していきます。シーシャに興味がある方、これから始めてみたい方は、ぜひ参考にしてください。
シーシャ（水タバコ）とは？
まずは、シーシャ（水タバコ）とは一体どのようなものなのか、その概要や歴史について解説していきます。
シーシャはタバコの一種
シーシャとは、水パイプを使用して煙の香りや味わいを楽しむタバコの一種です。水パイプを通じてタバコの煙を吸うため、別名「水タバコ」とも呼ばれています。
特徴は、タバコ葉に果実や香料を混ぜ込むことで、紙巻きタバコに比べてより甘い香りとまろやかな味わいを楽しめる点です。そのフレーバーは数百種類に及び、自分好みにカスタマイズして多彩な味わいを楽しむことができます。
発祥は中近東とされているシーシャですが、近年では、「落ち着いた雰囲気の中でリラックスしながら楽しめるタバコ」として、インドや中国、日本でも広く親しまれるようになりました。
シーシャの歴史
シーシャの発祥には諸説あるものの、16世紀頃に中近東で発祥したとされています。当時、喫煙文化が急速に広がる一方で、タバコの煙を直接吸うことによる健康への影響が懸念されていました。
この懸念を和らげるために、「煙を水に通して浄化する」というコンセプトのもと、インドの宮廷に仕える医者がシーシャを発明したとされています。
17世紀後半になると、シーシャはアラブ諸国やトルコ、エチオピアといった近隣のイスラム圏に広まりました。タバコ葉が貴重だったこれらの地域では、少量のタバコ葉でも満足感を得るためにバラ油やフルーツを加える工夫がされており、これが現代のシーシャフレーバーの起源とされています。
その後、これらの地域の人々がヨーロッパ各地に進出したことで、シーシャは世界中に広まり、現在のように多くの国で楽しまれるようになりました。
シーシャは違法？
最近、注目を集めているシーシャですが、どことなくアンダーグラウンドなイメージがあることから、「シーシャは違法なのでは？」と疑問に思う人も少なくありません。
結論から言うと、シーシャはタバコ葉を使用した紙巻タバコと同じ位置づけであり、違法性は全くなく、日本でも合法的に楽しむことができます。
また、シーシャに使用されている水パイプ本体は日本国内で喫煙器具扱いであるため、未成年者による所持および使用もタバコ同様に禁止です。
あくまで、シーシャは大人のための嗜好品であり、適切な場所と年齢において楽しむことが求められます。
シーシャ（水タバコ）の構造と仕組みについて
シーシャの基本的な構造は、「水を入れるボトル」「煙を吸うパイプ」「フレーバーを入れるボウル」「吸い口」から成り立っています。
これらパーツを組み立てたら、
①ボウルにフレーバー付きのタバコの葉を詰め、炭を上に置いて加熱します。
②加熱されたタバコの葉から発生する煙は、ボウルからパイプを通じてボトル内の水に送られます。
③ボウル上部に溜まった煙をパイプの吸い口から吸うことで、風味のついた煙が口の中に広がるという仕組みです。
なお、炭の温度、吸い方、フレーバーの調合によっては、シーシャの味わいや吸いごたえに変化があります。
シーシャ（水タバコ）を吸う際のポイント
シーシャは紙巻きタバコと違って単なる喫煙行為ではなく、その風味や香りをじっくりと味わうことが醍醐味です。
そのため、シーシャを最大限に楽しむためには、正しい吸い方とちょっとしたポイントを抑えることが大切です。
以下では、シーシャの吸い方について紹介します。
深呼吸をするようにゆっくりと吸う
シーシャは、紙巻タバコのように短時間で楽しむものではありません。深呼吸をするように、3~5秒程かけてゆっくりと深く煙を吸い込みましょう。
この際、ボトル内の水がボコボコと音を立てる程度の強さで吸うのがポイントです。
非喫煙者や初心者の方の場合は、吸いはじめに苦戦することもあるため、いきなり煙を無理に肺に入れず、一度口に貯めてからゆっくり吸い込むのがおすすめです。
煙を吐き出す際もゆっくりと味わいながら
シーシャの醍醐味は、煙を吐き出す際にその風味を楽しむことにあります。
そのため、紙巻きタバコのように「ふーっ」と強く吐き出すのではなく、「もわ～っ」とゆっくり吐き出してみましょう。
一気に吐き出すと風味を十分に感じられず、むせる原因にもなるため、じっくりと味わいながら楽しんでください。斜め上を向いて吐き出すと、より風味を強く感じられます。
休憩を挟む
シーシャは長時間楽しむものですが、連続して吸い続けると酸欠になる可能性があります。
そのため、適度に休憩を取り、換気をして新鮮な空気を体に取り入れることを意識しましょう。
目安としては、3～4回シーシャを吸ったら1回のペースで休憩を取るのがおすすめです。
シーシャ（水タバコ）に害はある？ニコチン量や健康リスクについて
シーシャの人気が高まる一方で、その健康への影響についても多くの関心が寄せられています。
「シーシャに害はあるのか？」
「ニコチン量や健康リスクについてどう考えるべきか？」
といった疑問が浮かぶのは自然なことです。
以下では、シーシャが健康に与える影響について詳しく解説します。
シーシャに含まれるニコチン量
ニコチンは「依存症」「中毒」といった疾患を引き起こす化学物質であり、主にタバコ葉に含まれていることで知られています。
シーシャにもタバコ葉が使用されているため、もちろんニコチンが含まれていますが、一般的に紙巻きタバコと比較してニコチンやタールの摂取量は少ないとされています。
その理由は、シーシャの仕組み上、水パイプを通じて煙が水に触れることで、一定のフィルター効果が得られるためです。
ただし、シーシャの喫煙でニコチンが完全に除去されるわけではありません。過度に吸いすぎると、ニコチン中毒のリスクがあるため、適度な使用を心がけることが重要です。
一方で一酸化炭素の摂取量は多い
シーシャは、ニコチンやタールの摂取量が紙巻きタバコに比べて抑えられる一方、一酸化炭素の摂取量が増加する傾向があります。
一酸化炭素とは、タバコ葉が不完全燃焼する際に発生する気体であり、ヘモグロビンと結合して酸素の運搬を妨げるため、一時的な酸欠状態を引き起こすリスクがあります。
シーシャの喫煙は約1時間と長時間続く特徴から、一回の吸引で紙巻きタバコ4〜5本分の一酸化炭素を摂取する可能性があるとも指摘されています。特に室内での喫煙は、酸欠や一酸化炭素中毒のリスクが高まるため、定期的な換気を心がけることが重要です。
ノンニコチンのシーシャもある
シーシャは通常、タバコ葉を使用してニコチンを含んでいますが、近年ではノンニコチンのシーシャも登場しています。
ノンニコチンのシーシャは、タバコ葉の代わりにサトウキビの葉や果物のエキスを使用しており、フルーツ由来の瑞々しさとライトな口当たりを楽しめる点が魅力です。
「ニコチンが含まれていないと満足感が得られないのでは？」と心配する方もいるかもしれませんが、フレーバーによってはニコチン入りのシーシャと同等の吸い心地を提供するものもあり、愛煙家の方でも十分満足できるでしょう。
特に有害物質の摂取を避けたい非喫煙者や、シーシャに初めて挑戦する方にとって、ノンニコチンのシーシャは理想的な選択肢といえます。
シーシャ（水タバコ）はどこで吸える？価格は？
シーシャを吸える場所や価格について知りたい方も多いでしょう。
ここでは、シーシャを吸える一般的な場所と、その価格帯についてご紹介します。
シーシャバー/カフェ
シーシャは、日本では主にシーシャバーやシーシャカフェなどの「シーシャ専門店」で提供されています。
喫煙目的の店舗ということで、暗いイメージを持つかもしれませんが、実際の雰囲気は店舗によってさまざまです。明るく広々とした店内や、ビリヤードやダーツを楽しめる店まで多岐にわたります。
ただ、基本的にシーシャは、1時間程度と長時間にわたって楽しむものですので、多くのお店ではゆっくりと過ごせるように、座り心地の良いソファが配置されており、友人たちとのリラックスしたひと時を過ごすのに最適です。
また、シーシャ専門店ならではの特徴として、提供されるフレーバーの種類も豊富。多いところで100種類以上のフレーバーを常設している専門店もあるため、自分なりのカスタマイズでオリジナルの喫煙スタイルを追求してみるのもいいかもしれません。
シーシャの価格
シーシャの価格は、店舗や地域、シーシャの種類によって異なりますが、一般的にシーシャ一台あたり約1,500~2,000円が相場とされています。
ただし、追加でチャージ代やドリンク代などが必要になるお店もあるため、総額で3,000~4,000円程度の予算があれば十分にシーシャを満喫できるでしょう。
紙巻きタバコと比べると高めに感じるかもしれませんが、シーシャは複数人でシェアできるため、友人などと一緒に楽しむことで費用を抑えることができます。シーシャを試してみたい方は、ぜひ仲間と一緒に訪れてみると良いでしょう。
まとめ
この記事では、シーシャの基本的な吸い方や楽しみ方、ニコチンの有無、そして健康への影響について解説しました。
シーシャは、多様なフレーバーを試せる楽しさがあり、リラックスした時間を提供するものですが、ニコチンを含む場合もあり、紙巻きタバコと同様に健康への影響を考慮する必要があります。
シーシャの選び方や楽しみ方を知り、安全で楽しい喫煙体験を心がけましょう。
